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神保町花月「台風クラゲ」 レポ

レポというかあらすじを最後のオチまで書いてます。
それが嫌な方はこの先を読まないようにご注意願います。
では以下、隠します。






とあるボロアパートの1室で二郎(石橋)とその叔父(堀内)と大家(宮林)が台風情報を見ながら話をしている。超大型台風が今夜直撃するらしい。
今日は二郎の父親の13回忌だが、大家はそれよりアパートの立ち退き同意書にサインをしてもらうのが目的。
震度3でも6くらい揺れているように感じるほどのボロアパートでもう住んでいるのは二郎の弟の三郎(硲)だけなので立ち退いてもらって取り壊しをしたい意向。
そこへ三郎が買い物から戻ってくる。台風のせいで食材が買えなかったのでピザでも取ろうという三郎と揉める二郎。お坊さんも呼んでいないと言うが、お父さんは形式に囚われない人だったと二郎を納得させる。
父親の生前の教え子だった警官とその後輩警官も弔問に訪れる。
その時、立ち退き同意書を見て三郎は「いたいだけいても良いって言ってくれたじゃないですか」と叔父や大家に詰め寄る。しかし大家はこれ以上は赤字経営になるだけだから、家賃を払っている叔父さんに話しにきたのだと取り合わない。
二郎も自分が今住んでいる名古屋に来て一緒に暮らすように説得するが、三郎は家族の思い出のあるアパートから立ち退きたくない、と言い張る。
こんなボロアパート、この台風も乗り切れないという二郎に、じゃあ自分が修繕するという三郎。
その三郎の頑固さに苛立つ二郎は台風に乗じてアパートを壊してやろうと叔父と画策する。
そんな中、部屋が無人になった隙に忍び込んだ泥棒の中田(桑原)部屋を物色しているとドアチャイムが鳴り、とっさに押入れから屋根裏に隠れる。
そこへ入ってきたのが長男の一郎(竹永)
何年も音信不通だったくせにと憤る二郎だったが、三郎は笑顔で「お帰りなさい」と迎えたのだった。

ピザ屋にデリバリーの電話をかける二郎の横で土下座している一郎。借金が100万円あるのでお金を貸して欲しいと二郎や叔父に頼むが、返済方法は出世払いというネットカフェ難民状態の一郎に呆れるだけの2人。二郎に至っては、じゃあどうすればいいんだよと逆ギレする一郎に「野垂れ死ね」とまで言う。三郎は「いつでもここに帰って来ていいよ」と一郎に言うが、そこでまた立ち退きの話で揉める。
一郎が今の大家は同級生でバッテリーも組んでいた仲だから取り壊しをするのを待ってくれるように頼む、と言えばそれを阻止したりわざと窓ガラスを割ったり、二郎の妨害工作も本格的に。近所に出没している泥棒・中田の手配書を持ってきた警官と一緒に天井に箒で穴をあけたり。
それで散々箒で突付かれた中田は再び部屋が無人になった隙に逃げようとするがピザの配達が来た事で逃げそびれ、叔父の財布からピザの代金を払って財布とピザごと屋根裏へ逆戻り。
一郎はアパートの修繕を手伝っていたが、川原から勝手にホームレス(長谷川)が集めたブルーシートや木材を持って来てしまい、そのホームレスが怒鳴り込んできた。そこでブルーシートを借りる条件でホームレスに台風の間はアパートにいてもらう事になる。ホームレスは家の補強が得意で、二郎は嫌がるが、それでも叔父と破壊活動を続ける。
そんな中、一郎が大家の所へ言ったのを聞いて頭に来た二郎は叔父と一緒に立ち退き同意書にサインして大家の所へ。しかし本当は一郎の頼みは聞いてもらえてはいなかった。
また部屋が無人になったので逃げようとする中田と鉢合わせる一郎だったが、中田が苦し紛れに自分は弁護士で父親の遺言を持ってきた、屋根裏に100万円隠してあるという嘘を信じて中田を屋根裏へ隠す。
だがそこへ2回目のピザの配達が来て、お金を払おうとした叔父が自分の財布がない事に気が付く。部屋に1人でいたのは一郎だけだからと一郎を疑う二郎と叔父。一郎は自分はとっていないというが、中田の存在を隠したいがために余計に怪しまれる。
ホームレスの提案で部屋の中を探す事にするが、一郎の不審な態度で屋根裏に当たりをつける。部屋の明かりを消して誤魔化そうとする一郎、それに乗じて逃げようとする泥棒。だがホームレスに停電ではない事を見破られ、雨が酷くて戻ってきたピザ屋が泥棒を捕まえる。
結局、財布をとったのは泥棒とわかるが、疑ったのを謝れと言う一郎と疑われるような事をしたり、泥棒を匿ったりするお前が悪いという二郎で喧嘩になる。止めに入った三郎に、二郎は修繕を妨害しているとバラす一郎。三郎に詰め寄られた二郎は、いつまでも思い出に執着するな立ち退きは避けられないと言い放つ。言い返せない三郎は雨の中へ出て行ってしまう。
13回忌どころじゃなくなったな…と呟く二郎。一郎は台風だから騒いでも近所迷惑にはならない、その方が親父も喜びそうだしと酒盛りをしようと提案する。

雨の中叔父に同意書にサインした事を聞く三郎。泣きながらも気持ちの整理をしようとはする。叔父の後一郎も来て三郎を慰める。しかし三郎はもう二郎兄ちゃんとはうまくやれる気がしないと言う。
しばらくして三郎が部屋に戻るとみんな酔いつぶれて寝ている。泥棒との会話で、昔水族館のクラゲの水槽の前で撮った唯一の家族写真の話。兄弟でもみんな何を考えているのかわからないし、今はみんなバラバラ。だけどクラゲだけはみんな好きだったと言う。
そこへ大家が台風で隣の公園の大木がこのアパートへ倒れてきそうだと慌てて言いにくる。もし倒れたらひとたまりもないから、反対側へみんなで倒そうという事になり、みんなを起こす三郎。
しかし二郎は、これは追い風でいい機会だ、これでアパートが壊れれば全て解決すると言う。しかしもう一度、家族がまとまるように父ちゃんが与えてくれた試練なんだと写真を見せて手伝いを頼む三郎の前で「いい加減に大人になれ。こんな物があるから大人になれないんだ」と言って写真を破り捨てる二郎。
僕たちが兄弟だという証明はこの写真とアパートだけ、二郎の胸倉を掴んで「兄ちゃんとアパートが大好きなんだ、邪魔をするな」と激昂する三郎の手を邪険に払う二郎。
それを見ていた叔父と一郎は三郎と共に公園へ向かう。叔父まで行ってしまった事にショックを隠せない二郎。そんな二郎に泥棒が話しかける。
自分は屋根裏でずっと見ていたからわかる。本当はお前はいい奴で弟と名古屋で暮らしたいだけなんだ。それにこのアパートが好きだけど、大人だから言えなくて、素直に思う事を言う弟にイラついてるのだと。
二郎は、違うこんなアパート壊れればいいし、兄弟がバラバラになってもどうでもいいと言うが、泥棒にはそれが嘘だと見抜かれる。
そして自分は足を踏み外して大切な家族も何もかも失ったけど、お前は間違うな、ここで踏みとどまって大事な物を守れと二郎をどやしつける。
二郎はそれで決心して立ち上がるが、一人では気まずいから一緒に来てくれと泥棒を自由にする。その瞬間二郎を突き飛ばして逃げる泥棒。
兄貴と同じように騙された、全然駄目じゃねえかと二郎は写真の父親に話しかけるが、その時風が吹き込んでくる。
「追い風か。わかったよ、親父。俺だってこのアパートが大好きなんだ」部屋を走り出る二郎。

大木は倒れてこなかったが強風でアパートの屋根は飛んでしまった。
一旦は逃げた泥棒も強風で飛んできた看板に頭をぶつけて倒れていたところを再びピザ屋に捕まえられていた。

部屋を片付ける三郎のところへ集まる兄弟。その時二郎が「ここは水槽で傘をさした俺たちはクラゲみたい」と水族館の思い出を話し始める。盛り上がる一郎と二郎を見て、2人が思い出を忘れたわけではない事が嬉しいようすの三郎。そして大木を倒すのを手伝ってくれた礼を二郎に言って、名古屋でお世話になりますと頭を下げる。羨ましそうな一郎に一緒に住むかと誘う二郎。そう言ってくれるのを待っていたと言う一郎は、じゃあ破ってしまった写真の代わりにここで俺たちクラゲの写真を撮ろうと提案する。
そこで光る雷。「フラッシュだ」という三郎。一斉にピースをする兄弟3人。

無駄に長くなってしまった…。これだけだとただのいい話のようですが、本当は凄く「深みのある」いいお話だったんですよ。
面白かったなあ。いい舞台だった。

by hyakurin | 2008-08-05 04:04 | お笑いライブ | Trackback | Comments(0)

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