人気ブログランキング | 話題のタグを見る

平清盛 叔父を斬る

うーん、やっぱり戦の後始末は1回で終わらした方がよかったんじゃないかと思った次第。やや冗長。
以降も感想って言うより単なる茶々を気のむくままに書いて行きます。

この回感動したわーって人は読む価値なしです。
ただ源氏パートは結構誉めてますが(当社比で)


まずちょろっと史実よりの話を。
信西がなぜ、ほぼ前例のない死刑を持ち出したのか。それは簡単に言うととにかく摂関家の勢力を奪えるだけ奪いたかったから。でないといくら頼長を殺したところでその後、信西の思うように政治の手腕をふるう事は不可能だから。摂関家と言うのはそれくらいの権力を依然として持った一族だと言う事。
そしてこのドラマでは摂関家に仕えていたのは義朝以外の源氏だけ、みたいに見えますが実は忠正叔父も元々長く摂関家に仕えていて、平氏の一門と言うには割と微妙な立場の人だったのです。決してあんな流れの土壇場で頼長様のとこへ行ったわけではない。
だから信西と清盛の利害は一致していて、清盛はそれほど気に病む事もなく叔父を斬ったわけです。それで源氏が弱るならめっけもんみたいな。まあその辺はドラマだし変わっていいんだが。
ただそうすると忠正叔父って本当にちっと頼長方についたばっかりに非業の死を遂げた訳だよね、と。

ではドラマに戻りましょう。

・清盛、とりあえずあんなに叔父を助けるだ必要だって言ってたなら、信西にもう少し抵抗しろと思いました。
その上結局、叔父を斬るのも宋剣(首が斬れるような切れ味とも思えない)かよ。叔父さんもせめて帝より賜りし平氏に伝わる名刀・小烏丸か抜丸で斬られたかった事だろうよ。ついでに言うと、首を落とす時に真後ろに立ってたらやりにくくて仕方なかろうに。
義朝と比べるとちょっと苦悩の表現がイマイチだったかなあ…。首すべて落とした後の絶叫が音楽に被って聞こえなかったのは正直正解かと。もう清盛の雄叫びは飽き飽き。
平氏は一蓮托生宣言、2度目だったけど艱難辛苦を乗り越えた割には言葉に重みが加わってないんだよな…。
後白河帝のいたぶりに手を挙げなかったのは当たり前の当たり前とは言え、今までの清盛を思えば上出来ではあったけど、だからって信西殴ったら意味ないよなって。そこで手を出さなければアラフォーにして大人になった、と思えたのに。いい加減成長してくれ。
・信西もそこで泣いたら興ざめもいいとこだ。実はいい人、苦しんでますはもう少し引っ張って出した方が。というよりこれで後白河のみ(with信頼)が完璧にワルモンじゃんか。
・まあこれは滋子と出会って後白河ってば超変わった、をやりたいのかも知れないが。しかし時子が偉そうに滋子に命令していたが、時子と滋子は異母姉妹の間柄で母親の身分が相当違うんで、姉とは言え命令出来たのかな。ついでに先バレすると滋子を二条帝に入内させようと清盛が画策する、という正気の沙汰でない展開が待っているのですが、滋子の身分も清盛の身分もそんな事は到底不可能だっつーの。だいたい入内の意味が分かってないよ。滋子クラスなら、せいぜい内裏で見初められてお手付きになったぜやったー、くらいが関の山。

・戻して義朝と源氏の皆様。
今まで玉木宏をそんなに上手い役者と思ってなかったけど、この回の義朝は良かったなあ…。
信西に斬首を命じられてなりふり構わず助命を請うて暴れるところ、思い余って由良御前に手を挙げてしまうところ。あれは由良御前のせいと思っても仕方ない事情ありだから、暴力は嫌いだけど理解は出来る。清盛の坊主キックより全然。またその由良御前も我が子鬼武者に、祖父の首を父が落とすところを見て来い、と筋が通っている。2人ともに、一貫性があるのが良い。
そしてなんと言っても為義がもう、素晴らしい。懊悩する義朝が投げた刀を拾って差し出し、それで父や兄弟の首をはね、その屍の上に雄々しく立て、それが源氏の栄華へ続く道ぞと命じる場面と、どうしても刀を振り落とす事が出来ぬ我が子を宥めるように声をかける優しさ、まさしく役に人生が見える名演技(忠正叔父も良かったのだけどね)
また刀を落とし、這いつくばって号泣する義朝の気持ちが痛い程に伝わって来て、私の源氏のイメージとは違うんだけど、これはもうそんなのに関係ない素晴らしいシーンでした。
また正清が黙って刀を手に義朝の役目を代わるところ、父の骸に取り縋ろうとした義朝にかけられる兄弟からの苛烈な言葉。私が源氏贔屓なのは認めるが、魅入ったのは源氏のターンでした。
そして10にも満たない頼朝が元服したいという場面でもぐっときたね。このドラマで初めて、注釈なしに引き付けられたです。

・後白河帝、今がまさに人生の極み中はいいんだけど。どこからどう見ても悪者行動、宴を開いて悲しみに暮れる清盛に歌い舞いを強要、大いに笑うもいいんだけど。
ただ私が思うに後白河帝って無邪気であって悪意はないってイメージなんですが、今回は完璧な悪意1000%でしたね。もうこのまま悪役街道ひた走りならいっそ清々しいが、滋子によって変わっちゃうんだろうと思うと逆になんか嫌、あいつ天パなんだもん(この件もしつこいよ私は)
それに宴でも帝なんだから御簾降ろせよとか、成親も言ってたけど直接声かけやめろとか、あんなきざはしまで出て行ったら駄目とか言いたい事はあれど、とりあえず今回も眉目麗しく、うなじもばっちり堪能したのでまあいいか、です。どうせすぐ春は過ぎるし。
しかしなあ、あそびをせんとやを安売りし過ぎるのがやや気に入らない。もう少し違う今様も聞きたい。色々使えそうというか、合いそうなのもあるので。
そしてこのドラマの信頼はやはり従来通りのイメージ、端的に言うとバカで行くのか。楽しさの感じ方が後白河帝と近いから寵愛されるとかか(最近だと信頼は実はキレ者だった説も結構あるようです)
ああそういえば成親も堂に入った嘘泣き、その後のしらっとした顔が悪くてよかった。成親は信頼ほどはっちゃけてない辺りが良い。

こんな緊迫した回の次は相撲か。なんか予告見るとコミカルなのがやや不安を煽りますが。後白河帝の視界に滋子が入りそうなのがちょっと見物かな。

by hyakurin | 2012-06-13 14:25 | 日本のドラマ | Trackback | Comments(0)

名前
URL
削除用パスワード