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相棒9 通報者

私は相棒交代後から見始めたにわか視聴者です。
以下、それを踏まえた上でお進みください。


人にはどうしても許せないものとか、苦手な物があります。私の場合はそれは「子供に対してきちんと責任を持たない大人」なんです。なんかもう、理屈抜きに許せない。
だから今回、冒頭で母親がケースワーカーに顔を見せない時点でああ、こりゃ「誰も知らない」パターンだとピンときまして(人は嫌いな物ほど敏感に察知する生き物)もう、平静に見られないと心の横目で見る事にしまして。なんで事件とかでやや粗があるっぽいのにあまり突っ込めません。
それでも最後の方は、やっぱり泣いてしまった。この心境はただ感動とかじゃなくて、もっとこう複雑なんだけど、まあそれはどうでもいい事なので以下はなるべくさらっと小ネタ拾い中心に。なるべく言ってはならない事は言わないように努力します。

最初に思った事は「喜平次様、大きくなったなあ」というおばちゃん丸出しの思い。いやでも、立派な美少年に成長して。もうすでにここでヤバい。また妹のゆめちゃんが可愛いのう。こんな2人が生活保護を受けて苦労してるのかと思うだけで胸が痛むよ。
その祐太くんは帰り道(これも生活のために年齢ごまかしてバイトするのに使う証明写真撮りに行った帰りなんだよ…)で女性が襲われ、首を絞められてるのを発見して公衆電話から通報するが、名前を聞かれると何故か名乗らずに切ってしまう。
でその殺された自称生け花教師・俊子は恐喝常習者。その線の怨恨が疑われるが…。
特命係は祐太を突き止め会いに行く。このきっかけが証明写真ボックスに残されたコンビニのレシートなんだけどそれを右京さんが探してるのに、神戸くんてば身だしなみを整えるように外についてる鏡で髪を直してうんと頷いてるし。何やってんだか。
祐太くんは「家には病人がいるから話は外で」と公園で2人と話そうと。そこで妹のゆめちゃんが転んでしまって思わず助けようとした神戸を制する祐太くん。妹をただ可愛がるんじゃない大人びた態度です。通報はしたけど関わり合いになりたくないから名乗らなかった、被害者の事は知らないと言って帰って行きますが。それは嘘だろうなと見抜く特命2人。一晩明けたらなぜ祐太くんは急に冷淡になったのか。
今回は特命は結構別行動。神戸は独自の聞き込みで祐太くんが俊子と顔見知りである事を知り、祐太くんが俊子に脅されていたのではないかと訊きに行きます。
ちょっとした誘導尋問で祐太くんは「万引きを見つかって脅された」と答えるのですが、その盗んだ物はトランプだと。なんでトランプ、と訊く神戸には「電気がいらないから」と、更に「本当はなんか家にいらない物があると安心するから」と。これは本音かもしれないですね。生活保護の理念から必要のある物しか買ってはいけないのはわかる、でも同時に「人はパンのみにて生きるにあらず」という言葉もちょっと思いだしました(私はキリスト教徒ではないので深い意味はありません、念のため)
ここで祐太くんがいい子の皮をちょっと取って「警察って人をひっかけるんだ」「場合によるけどね」みたいな会話をするのがなんだか似た者同士の会話みたいでしたね。
しかも神戸が裏を取ってみると祐太くんが万引きしたというスーパーにはそもそもトランプは置いてない事がわかる。その万引きしたと言うのは去年の9月。
一方右京さんの方は祐太くんの通う学校で祐太くんが家庭の事でいじめられる事があり、以前は反撃したりしていたが去年の9月からそういう事は一切なくなった事、祐太くんが卒業後は就職すると決めた事、学校ではその頃盗撮騒ぎがあり監視カメラがついた事、そして俊子が学校に出入りしていてそれを知る立場にいた事などを突き止める。
神戸は祐太くんの嘘の訳が気になって仕方がない様子。そんな神戸を見て右京さんはなぜ今回、祐太くんをそれほど気にするのか、と訊きます。神戸は「僕も嘘の上手な子供だったので」とはぐらかして終わり。えええ、そこもう少し突っ込もうよ右京さん。神戸も嘘をつかないといけないような状況で育ったのかねえ…。

神戸は祐太くんの家へ。そこで落ちた洗濯物を拾って何かに気がつく。そこへ出てきた祐太くんが「家は駄目だって言っただろう」と激しく怒ると「俺には平気で嘘をつく癖に。アンフェアだな」と応戦。そこへゆめちゃんが出てきて、思わず神戸言葉に詰まった?
祐太くんはとっとと家に入ってしまう。神戸、思わず「何やってんだ、俺」とぼやきながら石を蹴るとそこに車が停車。慌てて謝るが…。こんな一瞬の出会いがねえ。
ちょっとした息抜きというか、角田課長が特命部屋でチェスの練習?をしてて、そこへ神戸が帰ってくると「誰もいなくて寂しかったよ」「あっちに自分の部下がいっぱいいるじゃないですか」「あっちとこっちじゃ全然違うよ~」って角田課長との会話が面白すぎる。というか何が違うんだろう、ハイソ(もうこれ死語かねえ。今はもうセレブって言葉になっちゃうのかな、ちょっと感覚が違うけど)な空気感でしょうか。

捜査一課は重要参考人として俊子に脅されていた宗方綾乃という女性を任意で取り調べる。それを見に行った神戸ですが、そこへ祐太くんが現れ「犯人は男物の腕時計をしていた」と新たに証言する。
帰ろうとした祐太くんを引き留め神戸は「なんでいきなり思いだすんだ、君にはなにか宗方綾乃をかばわなければいけない理由があるのか。でも警察に証言したらただの嘘ではすまないんだぞ、わかっているのか」と必死です。そりゃ神戸には嘘に思えるよねえ、タイミング的にも。でも祐太くんは本当に思いだしたんだ、神戸さんも男の犯人を探せよと言い捨てて行ってしまう…。これ、神戸にしたら本当に心配してたんだよねえ、やっぱり熱い男だ。
右京さんが現場に残されたグラスウールと学校に出入りしていた業者をつき合わせて、造園業者を調べる事に。造園御者が樹木のケアにグラスウールを使うなんて相変わらず右京さん博識。なんでもご存じなんですねと言う鑑識さんの横での神戸の顔芸、最高です。
造園業者で相変わらず右京さんフリーダムにロッカーを覗く。おたおたする神戸にそこに祐太くんの証明写真があるのを見せる。しかもその従業員に神戸は見おぼえが。祐太くんの家の前で石を蹴った時の車にいた人だと。だから記憶力凄すぎるでしょう、まあ顔認証システムなんてやってた職歴の成せる業か。
神戸はもうこの男は祐太くんを突き止めています、と慌てて祐太くんの家へ。明かりがついているのを見て神戸はよかった、と行こうとするのですが右京さんはすぐ異変に気が付きます。家の前にスーパーで買ったと思しきものが散乱していたのです。

右京さんがインターホンを鳴らすと祐太くんが出てきます。どうでもいいような会話の後、ドアを閉めようとした祐太くんを引き留め「神戸くんからの伝言です、犯人は必ず捕まえるから安心しろと」
その時すでに奥の部屋で犯人がゆめちゃんにナイフを突き付けています。そこで鳴る電話、右京さんは「そういえば伯母さんがゆめちゃんに用事があるから電話をかけると言っていました」と。そこで動揺する犯人、奥から神戸と伊丹と芹沢が襖をぱーん、と開けて犯人無事に確保。ここ、よく見ると最初に神戸くんが出て、場面変わって右京さんが祐太くんを抱きとめる、体制の崩れた神戸を伊丹が下がらせかばう、でも再び神戸が出て犯人確保という。伊丹さん、特命でもとっさにかばう辺りやっぱり刑事なんだなあってちょっと感動。もちろんナイフを持った犯人にためらいもしない神戸も最高にカッコよかった。
犯人が連れ出され、祐太くんは妹に駆け寄ります。そこで神戸が「祐太」と一言。祐太くん「もうわかっちゃったよね」みたいな事を言ってうつむく…。ごめん、白状する。私ここで一瞬、ええ母親って出てったんでなくて祐太くん埋めちゃった、とホントに一瞬思ってしまいました…。いやもう、ごめん。

祐太くんの嘘はすべて、母親が宗方綾乃の夫と家を出てしまった事に起因します。母親がいなくなったと知れれば施設に入れられてしまう。ゆめちゃんにも本当の事を言わなければならない。でもゆめちゃんにはもう自分が最後の家族、何が何でも守らなくてはと思ったと。中学を出てすぐ就職しようとしたのもそうすれば伯母さんに後見人になってもらって、ゆめちゃんと暮らせるから。
俊子はそんな祐太くんを脅していたのでした。生活保護3人分、母親の分をよこせと。一体どんだけ鬼畜なんだよ。伊丹さんでなくても「なんて女だ」としか思わないよなあ。で、俊子を殺したのは盗撮で同じく恐喝されていた造園業者の男。
もうね、そんなどうしようもない母親を恨らむどころか母親の幸せを考え、ただ妹を守ろうとする祐太くんの気持ちが…。いい子過ぎるだろう。
というか母親だよ。ホント、どんな理屈付けたって絶対許される事じゃないんだよ。伯母さんも辛かっただろうなあ、彼女を責める気にはなれない。女一人生きて行くのだって大変だもの。大人が母親が自分の子供を守るどころか自分の幸せのために捨てて行くなんて。祐太くん、物分かりよすぎる、優し過ぎるよ…。
神戸は拾った洗濯物が濡れていなかった事から、あの家には実は母親がいないんじゃないか、それを隠すために祐太くんは嘘をついているんじゃないか、と思ったのが気がついたきっかけだったと話しますが、なんてまあ推理力でしょう。しかも祐太くんも濡らそうとは思ったけど、母親の匂いが消えるとゆめが寂しがるからできなかったとか、なんか凄い推理合戦見てるようだ。と、背後の捜一並みに唖然と見てたよ私。

右京さんの指摘にもうちょっとだったのに、と言う祐太くんにそれまで俯いて何か堪える様に聞いていた神戸が顔を上げて、祐太くんの肩を掴み目には涙を浮かべながら言います。君がゆめちゃんを守りたかった気持ちは分かる、でもじゃあ誰が君を守るんだ、もう君は充分頑張った、もう充分だ、それを聞いた祐太くんが泣きだす…。もう今でも打ちながら泣いちゃうよ。祐太くん、ずっと頑張ってきたんだよね。でもやっと泣けたんだなって。そんな祐太くんの頭をちょっとぶっきらぼうに一撫でする神戸…駄目だ、もう胸が痛い。神戸が無理に大人になってた祐太くんをいたわるというか、解放してあげたいって気持ちが伝わって来てもう…。
深読みするなら、神戸も誰かにこんな風に言われたかったのかな、そんな子供時代だったのかなとか。人って自分が言われたい事(言われたかった事)を言うもんだもんね。神戸くんの生い立ち、いつかちゃんと触れて欲しいなあ。

祐太くんたちは事情が事情なので罪に問われる事はなく、2人は施設に。学校へ行こうとする祐太くんを心配そうに見つめるゆめちゃんが…だから何回泣かせるんだって。ゆめちゃんに「俺は絶対ゆめを置いてったりしない」と言い登校する祐太くん。それをそっと見守っている神戸。心配で見に来ちゃったのか。お前、本当にいい奴だなあ。
出庁するとそこには祐太くんたちから近況を知らせるハガキが。祐太くんは高校へも進学するとか。そこでついぽろっと祐太くんが元気に登校している、と言っちゃう神戸。右京さんに突っ込まれてごまかしながら逃げる神戸。その時の右京んさんの笑顔がもう、優しい事。神戸の優しさや照れる所、右京さんも微笑ましいんだろうな。
今回も右京さんは終始、神戸を見守ってましたよね。祐太くんを気にするのはなぜかとか、もう充分だと祐太くんに言った時も。いい上司じゃないですか、素敵です。

喜平次様、ではなく溝口琢矢くんは瑞々しいよい演技でした。神戸くんの言葉で泣くシーンなんか特に素晴らしかった。今後のご活躍にも注目したいです。

「通報者」は視聴率22.5%も取ったとか。凄いなあ。もう細かい事はいいです。ここまで人を引き付けるドラマを見せてくれる相棒は凄い。
そして来週。すでにタイトルからして面白いんだけど。「右京のスーツ」って。ゲストもさり気に豪華だし。
今回ちょっと右京さんが控え目だったので来週はまた楽しみですね。

by hyakurin | 2011-01-27 15:07 | 日本のドラマ | Trackback | Comments(0)

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