十三人の刺客

ネタバレ注意。



近場のシネコンで1番大きい箱が昨日まで「君に届け」明日から「大奥」何故か今日一日だけこれだったので、これは何がなんでも今日行かねばと行って来ました。いやもう、大満足ですよ。
これぞ時代劇、これぞ日本のエンターテイメント、素晴らしかったです。私は正直に申しますと今までの三池監督作品にイマイチ思い入れもないし、2時間を越える映画も苦手です。なのに本当に面白かった。全然長いと思わなかったです、むしろもう終わりかと思ったくらい。

私は稲垣吾郎にちょっとした好意を持っているのですが、それ抜きで明石藩主・松平斉韶の稲垣吾郎は雰囲気があって実に憎たらしくて、凄みと行動の残忍さの中にどこか気品があって、薄気味悪い飯の食い方、最期の足掻きまでよくやったなと感心しました。

最初に切腹をもって斉韶の老中着任を阻止しようとした一人の侍。しかし将軍は腹違いの弟を寵愛しており、それは叶わなかった。
そこから御目付・島田新左衛門が暗殺者として抜擢されるシーン。老中がいかに斉韶が残忍かをしらしめるのに一揆のみせしめに手足を切り落として慰み物にした揚句、道端に棄てられた女を新左衛門に見せる。女は舌ももぎ取られているが血の涙を流しながらくわえた筆で新左衛門の仲間はどうなったという質問に応える「みなごろし」と。その字を見て新左衛門は笑う。そして武者震いしながら自分はこの泰平の世で侍として死に場所を求めておりました、とすべてを不敵に受け入れる。
ここから人を集め策を練る部分もドキドキした。新左衛門の甥っ子で冷や飯食いの三男坊を山田孝之が演じているのですが、侍として生きられずでも侍である事を捨てられない屈折した役がよかったし、また浪人で新左衛門の恩義に応える人の伊原剛志はめちゃくちゃ格好よかった。
松方弘樹も沢村一樹も古田新太もみんな台詞の一つ一つが痺れる。
また新左衛門に対するのが鬼頭半兵衛、この2人はかねてからライバルであり、身分の低い鬼頭半兵衛はかなり鬱屈した思いを抱いていたよう。鬼頭半兵衛は侍は主君に仕えるものだと頑なに思っている。勿論、ここまでのし上がった野心もあるだろう。新左衛門の民草の為にも松平斉韶を老中にするわけには行かない、と言うのと真っ向から対立する。

宿場町一つ買い取って国へ戻る斉韶を待伏せる事にするが、ここで十三人最後の男、唯一の侍でない山の男が出て来たり。この男がわけわからんくらい頑丈だったりして、緊張感の中で唯一のギャグ担当(三池監督らしさが出てます)で面白い。
この待伏せは半ば賭けだったのですが、見事成功。しかし鬼頭半兵衛も分断された手勢を300人まで増やしていた…。十三人対三百人の死闘の始まり。
ここからラストまで50分ずっと戦闘シーン、普段の私なら絶対飽きてます、アクションがそれほど好きじゃないし。でもこの戦闘シーン、しつこいけど本当に素晴らしかった、面白かった。爆破あり大仕掛けあり、でもしまいには血みどろの殺し合い。
そしてとうとう、斉韶と鬼頭半兵衛と手下2人と島田新左衛門と甥のみが対峙します。
鬼頭半兵衛と島田新左衛門の一騎打ちは島田新左衛門の言うように道場なら互角、しかし新左衛門はどんな時でも決して負けない男だった。
そして最後まで自分を守った男の落とされた首を蹴り飛ばす斉韶、最後までぞくぞくするほどの酷薄ぶり。
唯一生き残った甥っ子、侍は沢山だと言っていましたがさてその後どう生きたのでしょうか。最後の笑みがなんとも言えずいい顔でしたねえ。

これはね、是非とも映画館で見て欲しい。血みどろだからその辺の覚悟はしていただきたいですが、本当に格好良い男が見られますよ。2時間20分、長くない。お金を払って映画館に行って見る価値のある映画です。
凄くよかった。
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by hyakurin | 2010-09-30 20:27 | 映画感想 | Trackback

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