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神保町花月「落花生たち」を見てきました

ネタバレあり。


とにかく「台風クラゲ」が好きだったので同じ脚本家なら行かねばなるまい、演出のあべちゃんも気になるしという気持ちだけで簡単にチケットを取ったのですが、某所の評判がエライ悪かったのと、そこまでひいきの芸人が出演しているわけではないのでちょっとテンション低め、心のハードル低めで行きました。
でもそんなの全然杞憂でしたよ。とても面白かった。
それでも私は兄弟ものが好きで恋愛ものが苦手なので「台風クラゲ」の方が好きですが、逆の人はきっと「落花生たち」の方が好きだと思う。
では簡単にあらすじを交えて感想を。

山森大学の天文学部は部長の松浦(伊藤)部員に彦坂(石田)曽我部(こうすけ)織部(中野)の4人。しかし大学職員(飯田)から「5人いなければ公認サークルとは認めない」と言われ、慌てて部員を探しに行く事に。以前は甘粕(井上)という部員がいたのだが先輩で占い師の山根(長谷川)に「天文学部をやめればモテる」と言われて退部してしまっていた。彼は今かつて松浦を「顔が落花生みたいで嫌」とふった轟(ササキ)と付き合っている。
飯田を引き留めている間に織部がなんとか新入部員を連れてくる。川村(福田)という男で映画研究会にも所属しているが織部に頼まれたため入部するという。そこで松浦は川村と織部が付き合っている事を知るが、彦坂が2年間ずっと織部を好きだった事を知っているため苦悩する事になる…。

それでここから松浦がすごくうじうじうじうじしてる(ように私には感じられる)んですよ。川村は結構イイ奴なのに冷たくしたり嫌みな態度を取ったり。今のままがいい、そしていつかモテない自分とは違って彦坂には織部と幸せになって欲しい、とか言うわけですがそれが個人的には凄くムカついた。意固地で自分勝手で。この辺は「台風クラゲ」の三郎の頑なさに通じるものがある気がします。

新入生歓迎会でサークルとして出し物をしなければならない事になり、星座に関するお話を作ってそれを映像作品にする事に。落花生の早むきをすると言い張る松浦以外は賛成します。が、松浦は相変わらず非協力的で参加しようとせずあげくに山根になんとか川村をサークルから追い出したい、あんな奴事故ればいいと言います。それを聞いて怒る山根。言葉には言霊という力があるのだからそんな事を言ってはいけない、それよりいい加減彦坂に織部と川村の事を話すように言いますが、松浦はまだ今のままいたいんだ、と言い張ります。
そんな中撮影のリハーサルをしていると映研の先輩・野木(桑原)がやってきて川村の書いた台本を腐したり自分ならこうする、と言い出して川村もそれを認めてしまいます。それを聞いて怒る織部と本当に天文部のためにやっているのかと憤る曽我部は出て行ってしまい、織部を追って彦坂も行ってしまいます。
川村は松浦に星が奇麗に見える場所へ連れて行ってくれと頼みます。本当に天文部になりたいからと。山根に促されて渋々川村を山森山へ案内する松浦。一方織部と彦坂は一足先にその場所へ行っていた。
向う途中の車中、川村に自分が嫌いかと問われてはっきり「嫌いだ」と言う松浦。更に織部と別れてくれと言いますが、川村は織部さんが大好きだからと断ります。その時車が事故を起こして…。
その時告白しようとしていた彦坂。しかし事故の音を聞きつけて織部とその場へ行ってみると大怪我を負った川村とそのその場で呆然としている松浦を発見。慌てて川村を運転席から救い出し病院へ連れて行こうとしますが松浦は一人になりたいとその場に残ります。そしてその場で体育座りをして「川村ごめん」と泣き出します(山根がこれを予言していました)
病院へ向かう車中、織部と川村の会話を聞いて二人の事を悟る彦根。

松浦が部室に戻ると彦根がいました。川村は出血は酷かったけどなんとか大丈夫だと。山根が織部の事を書いたメモがあるのですが松浦はそれを見るなと彦根に言います。一歩前へ進むためにも織部に告白しろと。そこへ川村の荷物を取りに来た織部。彦根は告白しますが織部は「こんな時に最低だ」と激怒。しかしそこで松浦が明日も撮影を続ける、と宣言。出来るわけないという織部に松浦はきっぱりと川村のためにも俺がやると言います。

しばらくたった部室。野木に轟を奪われた甘粕が部に復帰していました。そして野木と取っ組み合いの喧嘩。それをみんなで楽しそうに見守っています。松浦はそれを撮影。
そこへ入ってくる川村と織部。改めて撮影を続けようと言うと松浦は川村にカメラを渡します。そしてあれほど嫌がっていた出演をすると。理由を問われると「俺もモテたいもん」
そして自分は「落花生のように外の堅い皮がむけてツルツルのおいしいピーナッツになった」と言いますが意味がわからないとみんなに落花生をぶつけられ…。暗転。

こうして楽しい感じで終わったのですがここまで見るとようやく私も松浦の気持ちがわかるというか、納得いく気がしました。松浦は轟に言われた事で本当に傷ついて自信を失っていたんだなと。だから彦根に託す思いが強くてああいう事をしてしまったんだと。そういう人の心の動きを描くのが上手い脚本家さんだと思いました。
そして演出もよかったですよー。舞台セットも凄く凝っていてその上お客さんを楽しませようって気持ちが伝わってくる感じがしました。暗転中星が光って見えるのが奇麗でした。
伊藤さんと石田さんの演技がとてもよかった。井上さんも登場するときダンスと決めポーズをしてくるのがキャラ通りすぎておかしかったし。そして「台風クラゲ」の時も思いましたがクレオパトラの2人はホントにいいですね。特に山根の妙なキャラが長谷川さんにぴったりで凄いハマり役でした。

久しぶりに神保町でいいものが見られました。やはり評価は自分で見てするべきですね。
行ってよかったです。

最後にどうでもいい追記。今日とうとう私以外にもオロCコインのまれてる人を見ましたよw

by hyakurin | 2009-01-18 03:28 | お笑いライブ | Trackback | Comments(0)

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