贖罪 3話から最終回まで

引き続き最後まで見ました。簡単に感想、超ネタバレあり。


3話は相変わらず麻子の言葉で人生めちゃめちゃのアキコがかわいそうでなりませんでした。アキコの兄が住まいにしてる倉庫の不気味さ、ビニール袋が飛ぶだけであそこまで不気味なのがさすが黒沢清。
そしてこの回でもアキコの母親に最高にムカつく。湊かなえ作品にはまともな母親って概念がまったくないらしい。どいつもこいつも。
この話って結局、アキコの兄がロリコンの異常性愛者で義理の娘がエミリと被ったアキコが殺し、医療刑務所送りになったと。面会に来た麻子はそんなの贖罪じゃない、自分だけすっきりしやがってみたいな事を。まあ、そりゃそうだとちょっと思う。
義理の姉と娘が面会に来ていたのが唯一の救いか。あの義理の姉、アキコに服買ってあげたり母親の酷い言動にさりげなく反論してくれたり、いい人だったし。

4話はようやく、麻子の呪縛に陥ってないように見えるユカ登場。池脇千鶴と小泉今日子のガチバトルが見応えある。
それと黒沢清作品の階段はやっぱり怖い。LOFTでも叫でも怖いんだよなあ。ただの階段なのに。
ユカは病弱な姉に母親の関心も欲しい物もすべて奪われたと思っている、心に空洞を抱えた少女。エミリ事件を経て相当歪んでいる。
姉の夫が警察官と知り、エミリ事件の時に警察官に優しくされて以来警察官好きのユカは、また姉が自分の好きな物を盗ったと思い、夫を誘惑して子供を作る。
その頃、麻子から手紙が来る。サエたちの死を知って驚いただろうと、そしてユカをもう赦していると会って話したいと書いてあるが、ユカは手紙をゴミ箱にあっさり捨てる。しかしある日聴いていたラジオの声でユカはエミリ事件の犯人を知り、麻子に会いに行く。
そしてなんとあの麻子を、犯人を知りたければ旦那さんをくれ、と脅すが。いやなんだそれと思ったら、ユカは突然切迫早産の兆候を示し倒れる。そのユカを軽く威嚇しながらも麻子は救急車を呼んでやる。
ユカは病院に来た姉に、お腹の子は夫のケイタの子供でしょ、なら私にも半分育てる権利があると言われると(姉は子供が産めない体)ケイタさんをとっちゃおうかなと言い、姉は自殺未遂を起こす。
ケイタはユカにお腹の子は自分の子ではないと妻に言ってくれと頼む。ユカは聞き入れた後再びケイタを誘うがケイタは断固拒否。そして妻の妹だから好きになろうとしたが、無理だと。ユカが嫌いだし、ユカの子ならお腹の子も見たくない、今後は金で解決したいと告げる。そのケイタを階段から突き落とし(あっさり事故扱いになるのはどうよ…)産気付いたユカは無事に出産。
病院に現れた麻子にユカは、エミリを殺したのは友愛フリースクールの青木という男だ、ラジオで聴いたあの声は間違いないと教える。そしてこの事を私は誰にも言っていない、だから麻子さんが復讐するかどうかは麻子さん次第だと言う。
ようやく話が動いたと思ったら意外な展開だなあ。
この回が4人の話では一番好きかも。ただユカがこのまま子供と新しい暮らしを始めました、で終わったんじゃないと知れたら知りたいとも思う。ユカは嫌いだが、一番キャラクターに厚みと説得力はあった。

最終回。
つーか結局、麻子が全部悪いんじゃん…、としか思わなかった。麻子が刑事に取り調べ受ける部屋がなぜか廃墟っぽい改装中の建物だったり、青木の気味の悪さとかはもう黒沢節全開だったなあ。
麻子と青木は大学時代に恋人関係にあったが本当に青木が好きだったのは麻子の友人だった(そもそもは3人は仲の良い友人だった)
しかしその友人が自殺してしまう、その上麻子は友人が死ぬのを見殺しにした、嫉妬の余り。なのに青木との関係に行き詰まりを感じた麻子は足立産業の御曹司と見合いをして、あっさり結婚してしまう。
別れ際青木に犯された、その時の子がエミリと確信していた麻子は青木への憎悪を募らせ、殺しに行くがその告白を聞いた夫が警察に話した為、すべてを警察で話す事になる。つか夫もたまったもんじゃないよなあ、麻子もそんな秘密は墓まで持っていくべきだよ。それにエミリが青木の子ってのも客観的な確信があるわけじゃないし。
それでそれで、事実を知った青木は麻子の目の前で電車に轢かれるのだった。最後まで気持ち悪くて一体2人の女子大生はどこがよかったんだか分からずじまい。
麻子は警察に自分が青木を電車に突き飛ばして殺した、と言うが運転手の目撃証言などで自殺と断定され、帰るように言われる。
しかし麻子はどことも知れぬ町をさ迷いながらどこに帰ればいいのか、と途方に暮れるばかり…ってお前まだ息子のいる母親なんだから、まず息子のところへ帰れよと思うんだが。最後まで駄目母親のまんまかい。
しかしまあ、本当に最後までなんの救いもない話でしたね。

それにしてもテレビドラマでも黒沢清に揺るぎないなあ。これいつものWOWOWドラマだと思って見た人はどう思ったんだろうな。私は青木のフリースクールがみんな白装束でまるでカルトな気持ち悪さとか、話ながら水を飲むシーンの多用、なげっぱなしの要素の多さなど堪能しましたー。やっぱり黒沢清はよいなあ、早く「完全なる首長竜の日」が見たいなあ。きっと原作あっても結局このドラマみたいに話を変えちゃうんだろうな。こっちはタイトルも変えたみたいだし。
最後に。小泉今日子って結構引き出しあるんだなと今更思いました。なぜか回毎に雰囲気や言動が違うと言う設定をつける黒沢清のよく分からない注文にもよく応えていらしたかと。最終回の壮絶な色気には圧倒されました。
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by hyakurin | 2012-10-26 02:45 | 日本のドラマ | Trackback | Comments(0)

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