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今更「篤姫」に感銘を受けるのこと

松田翔太の後白河帝役があまりに素晴らしいので、ならついでに将軍役も見てみたくなり「篤姫」を該当回だけ借りて見てみました。だって、これほどお若い役者が大河ドラマでこんな短期間に将軍役と帝役をやるっておそらく前代未聞ですよ。というか、将軍と帝を両方演じた人もあまりいないと思われます。
見てみてつくづく、高貴な役にハマる顔であり役者さんなんだと思いました。家茂公も雰囲気や空気感がいいし、いかにも純粋なお坊ちゃんが似合ってました。後白河帝とも全然違うんだけど、とにかく品がよく見え、時代装束が似合う。時代劇に向いてますねえ。もっと時代劇が隆盛の頃ならまた毛色の違う役も見れたろうにちょっと惜しいと。

私は「篤姫」は見ていません。最初から。元々興味があるものにしか気が向かないのです。篤姫は時代と言い主役の題材と言い私的にはパスだった。好きな物は凄く好きだけど、苦手な物は少しも我慢がならないタイプですし。
見てみて、やっぱりじゃあ全話見てみようとは思わないんだけど、なら家茂公以外なにも面白くなかったのかと言われると実はそうでもない。家茂公が死んだ次の回も見てちょっと泣いたし。おそらくそれが篤姫というドラマの持つ力だろうと思いました。人を引き付ける物がある。人気があった理由もよく分かりました。途中からでも分かりやすいし。
というか普段は「人が死ぬ物騒なドラマしか見ない女」と呼ばれている私でさえ、やっぱり素敵な着物がたくさん出てくる華やかな画面には胸がときめくし、若く美しく初々しい2人が手を握る握らないと言うような寝所のシーンを演じていれば思わずちょっとドキドキして応援したくなるわけで。女だな、一応。
家茂公の臨終シーンが勝海舟と2人きりでその胸に抱かれて息を引き取る、というのはちょっとびっくりしたけど泣きましたよ、その頃にはそれまで「なんか幕末にちょっと将軍だったけどすぐ脚気で死んだ人」という知識しかなかった家茂公にすっかり感情移入してるからもう号泣ですよ。実際に看取った医者とか逸話も知ってるわけですけどそれと違っていても、気にならない。むしろ、最期に勝海舟しか頼る者がいないなんて本当に厳しい立場で寂しく亡くなったのだ、とより涙を誘われました。ドラマってそういうものですよね、最近忘れていましたが。
見終わってしばらく経つけど、家茂公の自分は将軍として男として何かを成し得たのだろうかという悲しい言葉が胸に響いていますもの。和宮もかわいらしくて健気でよかったなあ。
ドラマで泣かされたのは久しぶりだったし、やはり支持されるには理由ありと感銘を受けた次第。

by hyakurin | 2012-05-26 15:02 | 日本のドラマ | Trackback | Comments(0)

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