人気ブログランキング | 話題のタグを見る

相棒ten つきすぎている女

私は相棒交代後から見始めたにわか視聴者です。
以下、それを踏まえた上でお進みください。

相棒って困ったドラマだなあとつくづく思った回でした。だってようするに「ついてない女」が「おっちょこちょいな女」月本幸子になって、花の里2代目女将になるってオチのためだけの回ですよね。
今時、普通の連ドラでこんな贅沢な諸行が出来るのは相棒だけでしょうね。公式ブログの煽り様と昼の再放送からずっと見ていて、更に始まった途端に幸子さんが調理師免許を持っていると言った時点で私はだいたいそうなるんだろうと思いました。これはおそらく途中参入の視聴者の方がたまきさんへの思い入れが薄い分だけ気がつきやすかったと思います。
そして私は普通こういうオチありきなストーリーがあまり好きではない。でも、ではつまらなかったのかと言われるとこれが面白かったから困るのです。ドラマでこんなに笑った事はしばらくぶりだし、様々な細かなピースがぴたぴたはまって行くのも楽しかった。それは認めざるを得ない。
だから感想は難しい。幸子さんの女将就任も評価出来ないし。
という訳で今回は感想じゃなく思った事とかそんな感じで。なんか最近こんなパターン多い気がするが気にしない。

・模範囚で早期出所した月本幸子は「服役してました」とか言ってハローワークを静まり返りさせたりしながらも、無事に清掃業に就き望み通り分相応に慎ましく暮らしていた。
彼女から出所を知らせる手紙が来て、事情を知らない神戸が尋ねても事情は長くなるから省く右京さんが既に面白いが、今回の右京さんの面白さはこんなもんじゃない。
・幸子は清掃の丁寧さが見込まれて外食産業の社長宅の清掃を任され、そこで社長さんの目に留まりうちの家政婦にと誘われかなり高額のお給料を貰い、社宅に住めばいいと立派なマンションに住み、更に何とは無しに作った料理が大絶賛で開発部のアドバイス料まで貰うようになり、その上とうとう社長さんからプロポーズ。ミタさんばり。
ここで幸子は、おかしい自分がこんなについているわけがないと特命係を呼び付ける(この行動が既に今までの幸子さんとちと違うが…。まあ彼女も罪を償って明るく前向きになったって事かな)
しかし神戸はいちいち何がおかしいかわからないと言うし、右京さんもあなたの相応の評価なのではないでしょうかと。幸子はムキになって、自分は誰かにつけられているとか、社長が服装見なりを事細かく指定してきたり、開けてはならない部屋はあるし、息子のミズキくんは自分に懐かない、と言い募るが右京さんはやはり食いつかない。幸子はがっかりした、と言い放つ。
・神戸も杉下さんがあっさりしていて意外だと言うが、右京さんは実は自分は最近調子が悪いのだと言い出す。これがもうおかしくて。米沢さんに健康相談に行って、男性更年期とか若年性…(痴呆症?)とか言われるし。否定するけど。
神戸はどこが悪いかわからないと言うが、右京さんが妙な方向に脱線するのを修正したり段々なんだか介護人みたいになって行くし。
犬と戯れる右京さんを見たときはこの人マジでヤバいだろう、と真剣に思ったよ。
・幸子は前任の家政婦のゆきちゃんの写真を部屋で見つけミズキくんに見せると泣き出され、彼女は行方不明で社長さんが捜索願いを出している事や、更に部屋の額縁の裏の壁に「たすけて」と書かれていた事や自分がやっぱり誰かに付き纏われている事ですっかり色々と確信。特命も捜査に乗り出すが。間宮家を見て回っているとき、隠居した前社長である父親の部屋の畳が不自然だったので暴いて見るが何もない、のにその右京さんからすっごい離れてハンカチの準備も万全な神戸が面白い。死体、いかにもありそうだったもんね。
・幸子は更に調べ、右京はもう頼れないと今度は捜査一課のトリオを巻き込む。ゆきが何やら怪しげな新興宗教にはまってたとか突き止め、制止を無視して教団に乗り込む。これがまあ、ダークマターだのチャクラが開いただの、みるからにちんけでいかがわしい教祖だの完全にTRICK。思わず自分が何を見ていたのか見失いかけたよ。
そこで幸子は社長さんも信者だと知る。
・特命はその頃まったく違う角度から捜査。右京さんは相変わらず自信なさげで、話を聞きに行った相手に人生相談してみたり。
・幸子は社長さんに2人きりで話したいと言われ、勝手に明後日も明後日な方向に大盛り上がり。トリオにエマージェンシーコール、それまでの時間稼ぎに社長さんに果物ナイフを突き付け、あたしは元ヤクザの情婦よなどと啖呵を切るがそこで突然、チンピラみたいなのが入って来て社長をボコボコに、更に呼びつけたトリオも来て大捕物に。
・社長さんは幸子が自分がいけにえにされると思い込んでいた事に呆れ返る。ただもう一度ちゃんとプロポーズしたかっただけ、教団に入信したり調べていたのはゆきちゃんの行方を探すため、と限りなくいい人です。
そこへ入って来た特命、右京さんは新興宗教団体が絡んでいるなんて考えもしなかったと言い、見つけてきたゆきちゃんを連れて来ている。
・ようするに前社長は脱税した5千万を部屋の床下に隠していた。どうでもいいが家政婦に月に50万円以上も払う裕福な家庭の割には慎ましい金額だな。
で、それを見つけたゆきちゃんはなんの金かも知らずに持ち逃げ。てっきり指名手配されると打った小細工が右京さんに真実を暴かれるきっかけに。でも実際は後ろ暗い金だから警察には届け出る訳はなかった。
・真相を知った幸子は社長さんに謝るが社長さんすっかりどうでもよくなってる。そりゃそうだよな、一生懸命探していた元家政婦はネコババ逃走、父親は脱税、気に入った女性にはナイフ突き付けられた上になぜかボコボコ。社長さんが一番ついてないよ。
伊丹も「自分が捜査一課に入って一番くだらない日だ」と吐き捨てる。まあ幸子に踊らされた悔しさはわかるよ…。
・最後に残った謎はチンピラだが、彼は元ヤクザの田村が命じて幸子に付けた護衛。出所した姐さんを守りたかった純情田村は面会に来た幸子にプロポーズするが、光より早く「それはないわ」と断られる。田村もかわいそうだなあ…。泣きそうだったけど、もはや究極のサゲ○ンだとしか思えない幸子にフラれてよかったと思うよ。
・月本幸子はこれでまた幸運を掴み損ねたと角田課長。神戸はツキがあるとかないとかじゃなくて彼女はただの「おっちょこちょいな女」ではないか、と言って右京さんに窘められる。

さて右京さんの不調だが神戸が途中で突如ひらめく。人はいいこと、例えば毎日習慣にしているジョギングをしなかっただけでも1日の調子が狂う、それが角田課長の様に毎朝奥さんに罵倒されるという悪習慣であってもなければないでやはり調子が悪くなる(角田課長は罵倒とまでは言ってないが)
杉下さんも最近、長年の習慣をなくしましたよねと神戸、角田課長もああと納得するが右京さんだけはわからない。

それが新女将で花の里復活に繋がる訳で。というかあの店の権利的なものは右京さん所有なのかなあ、幸子を雇ったみたいだし。
つうか右京さんに大事なのは花の里に通うという習慣であって、たまきさんではなかったのか。なんだかこれでようやく右京さんとたまきさんは本当に離婚したのかも知れないですね。
すっかり常連らしい右京さんと神戸(細かいが前は席一つ開けて離れて座ってたのに、今は角を挟んで並んで座ってた)に幸子はお茶漬けを出すが、梅干しの嫌いな右京さんに梅茶漬けを、神戸にはわさび多めの鮭茶漬けを渡す。文句も言わず幸子が見ていない隙に交換する特命係は紳士だね。
右京さんは神戸の言ったおっちょこちょいな女に賛同だそうです。

いやあそれにしてもさすがに償ったとは言え前科者の幸子の前で、今までみたいに事件の話するわけには行かないと思うがどうなんじゃろう。
正直私は花の里パートが必須とは思ってないんだが、とりあえず幸子と陣川の異種遭遇が面白そうとはちょっと思うので実現して欲しい。それで幸子がまた暴走したり、ウザいことしなければ別に文句もない。

こんな回の次は梶芽衣子(野良猫ロックだー)がゲストでかなり真面目な話っぽい。やはりそういうメリハリが必要だよね。前半の重い回とゲスト目立ち回の連発はきつかったからねえ。
しかしここまで書いても私にはこの回の評価は不能。でもとにかく「聖戦」よりは100倍よかったです、古沢さんの相棒。

by hyakurin | 2012-01-20 05:46 | 日本のドラマ | Trackback | Comments(0)

名前
URL
削除用パスワード