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「天地人」に向けて色々見てみよう、ドラマ編その6

今回は「大奥~華の乱」です。
フジテレビの大奥シリーズは一番最初の菅野美穂のヤツだけ見た事があって、その時は北村さん将軍様だったんですよね。あれはすごく菅野美穂が素晴らしくて見ごたえが。将軍様も最初は気持ち悪かったけど(無礼)実は良い人だ~ってほろっとしました。
これだと今度は将軍に仕える側用人・柳沢吉保。おお、柳沢吉保と言えば名高い悪人、期待が高まります。まあ実際の吉保はそれほど悪人とは思わないんだが、ドラマとか創作物ではもう吉保=悪人ですからね。
では吉保中心にちょっとした感想です。

北村吉保、最初から実に怪しい魅力にあふれていて存在感が凄いなあと。大奥では色んな立場の女性に取り入ってて、将軍もボンクラそうだしいかにも暗躍してくれそうです。
とにかくさまざまな女性が幸せ→どん底みたいなのを繰り返していくのでちょっと一気見は疲れますね。安子の家が将軍の気まぐれで一瞬にしてめちゃめちゃになっていくが特にかわいそうでした。安子の母上、幼い頃の将軍に優しくしたばっかりに無残な事に。しかも夫のいる安子までお召しになるとは何だこの将軍、と思いました。これがのちに安子が里久という女性に似ていたからこんな目にあったのだとわかった時は結構ムカつきましたねえ。
結局最後まで安子の心は成住にあったわけでそこはちょっと哀れだけど、将軍も。
信子とお伝はとにかく顔が怖い…。それでもお伝は必死に生き抜こうとしたまだかわいげのある女性でしたが、信子はもう怖いよすべてが。最後将軍に取りすがってるところはもはやホラー映画の映像のようでした。紀香はあれで何か得したんだろうか。罪のない子供が殺されるのはなんともいえなかった。
さて、柳沢様。どんどんまさに悪の華になっていくのにひたすら見入っておりました。妖気漂う美しさというか。染子はなんでこんな悪い人にああまで尽くしちゃったのかなあ。一途というか馬鹿というか。そうだよ、もう途中から染子がかわいそうで見てられなかったんだよ…。どう考えてもあんた道具だよー目を覚ませと思ってた。
自分を殺してくれと自ら自分の足を縛るところは泣けましたね。
それほどまでに吉保は寝取られた女の事で将軍に復讐したかったわけで。染子が好きという気持ちよりそっちが大事だったわけで。最期まで吉保だけを思っていた染子がやっぱりかわいそう。吉保も最初は染子を大事に、愛してたと思うんですけどね。でもそれよりやはり憎しみが上回ってしまったんですね。
ああでも、染子が生んだ吉保の子・吉里を将軍の子に仕立てるってのはどうよと思ってたら葛原たちが「あの凛々しい眉はどうみてもあのお方」みたいな事を言っていてそこは笑いました。だよねー隠しきれない濃さだよねー。左利きとかよりもっとインパクトだろう。
安子が夫・成住の仇を取ろうと吉保に斬りかかりそれに割って入った将軍を吉保がはずみで刺してしまう。吉里の事もとっくに承知していた将軍、吉里のお墨付きは取り下げていました。そして自ら更に刀を深く差します。
生まれ変わったら安子と夫婦になりたい、でもそれは駄目だろうから花になりたい、散っても誰にも迷惑にならないからと最期は健気な将軍でした。ボンクラとか思ってて悪かった。
安子は吉保の殉死を止めました。生きて償えとある意味究極の復讐です。
将軍を刺した吉保の呆然っぷりを見ているとこの人もはや将軍憎しで固まっちゃってて、本当にその相手が死んだら、殺してしまったらもう何も残らなかったんだなと。蟄居した屋敷の縁側で染子とラブラブだった頃の幻を見ている様は本当に憐れ。

スペシャル版「悲恋の果てに」も見ましたがこれ完全に柳沢吉保スペシャルじゃないですか。
最期は妖怪じみてた信子も最初は可愛い女だったんだよとか、お伝は一生懸命這い上がったんだよとかもあったけど、それより柳沢吉保はいかにして将軍に憎しみをつのらせたのかって物語でしたね。
これはとにかく見た人全員が「結局全部悪いのは桂昌院じゃね?」と思っただろうと。だって本当にそうじゃん。吉保の大事な里久を召した将軍も悪いし、それを言えない逃げられない吉保もどうだとは思うけどやっぱり諸悪の根源は桂昌院だろう。それに何も里久を本当に殺さなくてもいいじゃないか。
母に言われるまで里久を吉保が愛していた事を知らなかった綱吉。吉保を可愛がっていただけにそれを悪いと思ったのか以後里久の事を話題に出す事はなく、吉保に面と向かって聞かれた時も覚えていないと。これは本当に忘れていたわけじゃなくて綱吉的に良かれと考えたと思うんですが、この態度が逆に吉保の憎しみや復讐心を煽ってしまったのがなんとも皮肉。矛先が黒幕の桂昌院じゃなかったのはやはり、里久を取られたという思いが強かったからなんでしょうね。男の人にとってそれは辛い事だろうし。
吉保が臨終の床で里久だけじゃなくて染子にも謝ってたのにちょっと救われた。安子も里久の代わりだけじゃなく許しの言葉をかけてあげたんだよね。
ちょっとした行き違いで悲劇が悲劇を招く悲しさがせつなかった。
それにしても最初の病床の吉保の老けメイクはちょっとおかしかった…。更に直後、まだ初々しい明るい前途を夢見る邪気のない吉保、ちょっとどころじゃなくおかしくて笑ってしまった。なんかキラキラしてるんだもの。さんざん悪の華っぷりを見た後だったから衝撃だった。
着てるものとかは変わってないのに何でああ違って見えるんだろう。北村さん凄いです。地味で初々しい景勝様だって出来ちゃうよね。でもあっちはそれほど面白くないのになんで吉保邪気なしバージョンはあんなに面白いんだろう。やはり満面の笑みで里久に駆け寄ってたのが衝撃だったのか。
やっぱり大奥面白いわあ。今まで見た柳沢吉保の中でも北村さんは素晴らしかったです。とても悪い魅力と、そこに隠れている悲しさを楽しませてもらいました。

by hyakurin | 2009-01-24 03:55 | 日本のドラマ | Trackback | Comments(0)

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